中国中南部に大洪水発生
6月上旬から降り続く豪雨によって、長江(揚子江)中流域の多数の地域で大規模な洪水が発生しています。
中国の人たちは、この豪雨によって湖北省宜昌市にある三峡ダムが、決壊するのではないかと恐れおののいているようです。
三峡ダム決壊によって何が起こるのか?
このニュース自体は多くの皆様がすでにご存じのことと思います。
なんだ、洪水じゃん、よくあることだろ。日本でも去年起きたし、中国なんてしょっちゅう洪水なんて起きてるだろ。なんで今更騒ぐんだ、と思っている方も多いでしょう。
確かに洪水なんてよくあることです。しかし三峡ダムの決壊は全然違うのです。
何が違うかって?規模が根本的に違うのです。
長江と三峡ダムの恐るべき規模
いったい何の規模が違うのでしょうか?まずは川自体の規模が根本的に違います。
上図で濃い青線が長江、赤線が三峡ダム、水色がダム湖です。
長江は世界第5位の河川で、長さは6300km、流域面積は180万㎢です。ちなみに日本は北の端から南の端まで2800km、国土面積は38万㎢ですね。上の地図で隣にあるのでわかりやすいと思います。
長さは日本全体のの2.3倍、流域面積(川に流れ込む陸地の部分の面積)は、日本全土の4.7倍という、化け物のような大きさの川です。当然日本にこれに匹敵する川なんてありません。だって、日本全体よりはるかに大きいんですから。
ちなみに長江の河口の、東シナ海を渡った対岸には九州があります。この位置関係は重要ですから、心に留めておいてください。
次にダムの規模が根本的に違います。三峡ダムは現時点において世界最大のダムです。長さ1710m、高さは175m、32基の水力発電所が付属し、総発電量は年間1000億kwhです。
ちなみに日本にある3091個のダムの水力発電量の合計は年間660億kwhですので、これ一つで日本の平均的なダムの4700個分!の発電量があるという、化け物のようなダムです。
日本では河川もダムも小さいので、水力発電所は一つのダム当たりの発電量が火力や原子力発電所にはるかに及びませんが、三峡ダムは原子力発電所16基分の発電量があるということです。
さらにとんでもないのがダム湖の規模です。ダム水位が145mの時のダム湖の長さは570km。人工衛星からはっきり見えるレベルの大きさの湖です。
大体西日本全体と同じ大きさの水の塊があると思っていいでしょう。
三峡ダム決壊で何が起きる?
この日本では考えられない規模のダムが決壊し、ダム湖の水がすべて解き放たれた時、いったい何が起こるのでしょうか。
ダム湖の水は、そのまま下流に流れ出し、まずは武漢を襲うでしょう。流れ出しといいましたが、そんな生易しいものではありません。西日本全体と同じ大きさの巨大な水の塊が、地上にあるものをすべてなぎ倒して進んでいくのです。
武漢は更地になるでしょう。すべての建物、人、動植物は消滅し、そこにはただだだっ広い平野が広がるのみです。
新型コロナウィルスの証拠もきれいさっぱり地上から消滅してしまうので、中国共産党にとってはかえって都合がいいかもしれませんね。
巨大な水の塊は、広がりながらさらに下流の南京、さらには河口の上海に襲い掛かります。これはちょうど巨大な津波の直撃を受けたのと同じような感じです。
家やビルは流され、逃げ遅れた人々は次々に津波にのまれていくでしょう。
さらに勢い余った水は東シナ海を渡り、海の塩分濃度を薄めつつ、対岸の九州にまで到達するかもしれません。九州西岸、特に標高の低い長崎県などは、今からこれに備えておいたほうがいいでしょう。
結局三峡ダムのダム湖の水は、長江下流全域とさらに南の地域を水没させ、その地域の人々を飲み込み、建物をなぎ倒し、農地を汚泥で覆っていくでしょう。
長江中華流域には4~6億人の人が住んでいるといわれています。上海は中国経済の20%を占める経済的中心都市です。長江下流に広がる水田は中国の穀倉地帯です。
最悪の場合、これらがすべて消滅する可能性があります。全人口の3分の一が消滅し、中国最大の大都市が消え、穀倉地帯が永久に耕作不能になるかもしれません。
その後、汚泥に汚染された土壌は伝染病の温床となり、さらには耕作地壊滅による食糧不足も発生するでしょう。
その被害はまさに壊滅的というのがピッタリであると思われます。
まあ、今年中に現実に起きるかどうかはわかりませんが、起きる可能性は大いにあります。その可能性を作り出したものは、中国共産党の体質そのものです。
ではその中国共産党の体質とはいったいどのようなものなのでしょうか。
次回に続く→